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生コンクリートの検査

品質管理のための検査

製品の売買を行う場合には、その製品の品質が要求した性能を保有しているかどうかを確かめるため、検査を伴うのが一般的である。特に生コンは俗に半製品と言われ、図-3および図-4に示すとおり、生産者が行うものと、購入者(施工業者)が行うものとに分けられるが、ここでは、それぞれの場合に分けて述べることとする。

図-3コンクリートの品質管理・検査

「'93コンクリート工事・現場技術者の手引き」(セメント協会)参考

図-4コンクリート工事行程における品質管理と責任区分

「'93コンクリート工事・現場技術者の手引き」(セメント協会)参考

生産者が行う検査…製造時の品質検査

生産者が行う検査には、主に品質管理用のデータを取るために工場で行う「製造時の品質検査」と、荷卸し時に行う「品質確認のための検査」の2種類がある。

  • 製造時の品質検査
  • 荷卸し時の品質検査

工場で行う製造時の品質検査が、主に工程管理のために行われているのに対し、荷卸し時の検査はユーザーに対して品質の確認と保証をするために行うものである。それぞれの検査内容を別表に示す。

表-2製造時の品質検査

1 コンクリートの状態 ワーカビリティー、均済性、骨材の大きさ、容積等について、練り上がりコンクリートを全バッチ目視検査する。
2 スランプ試験 1日2回以上スランプ試験を行う。この時の判定は、スランプロスを見込んだ値で行う。指定スランプ18cmで、スランプロス1cmを見込んでいる場合は、(18+1.0)±2.5cmであれば合格。
3 空気量試験 1日2回以上空気量試験を行う。この時の判定は、エアーロスを見込んだ値で行う。指定空気量4.5%で、エアーロス0.5%を見込んでいる場合は、(4.5+0.5)±1.5%であれば合格。
4 コンクリートの塩化物含有量試験 海砂使用の場合1回以上/日、それ以外は1回以上/月、規格品のコンクリートは0.30kg/m³以下(ただし、購入者の承認による場合0.60kg/m³以下)。
5 容積試験 1ヵ月1回以上、コンクリート容積の試験を行う。この時の判定は、容積ロスを見込んだ値で行う。コンクリート1m³に対して0.5%のロスを見込んでいる場合は、1m³のコンクリートが、1,000×(1+0.005)=1,005リットル以上あれば合格とする。
6 軽量コンクリートの単位容積質量試験 出荷日毎に試験を行い、購入者と協議した範囲内にあれば合格。
7 代表的出荷品の強度試験 1日1回以上試験を行い、20±2℃の水中養生を行った供試体の試験結果が、1)管理限界に入っているか、または、2)1回の試験結果が、呼び強度の値の85%以上でかつ、3回の試験結果の平均値が、呼び強度の値以上であれば合格。
8 コンクリート温度 必要に応じて試験を行い、購入者と協議のうえ決定した範囲であれば合格とする。

生産者が行う検査…荷卸し時の品質検査

表-3荷卸し時の品質検査

1 スランプ試験 必要に応じて(通常は圧縮強度試験用供試体採取時)試験を行い、その試験結果が所定の品質を満足していれば合格。

判定基準

スランプ
2.5cm→±1cm
5および6.5cm→±1.5cm
8cm以上18cm以下→±2.5cm
21cm→±1.5cm
2 空気量試験 必要に応じて試験を行い、所定の品質を満足していれば合格。

判定基準

空気量
普通コンクリート 4.5%±1.5%
軽量コンクリート 5.0%±1.5%
舗装コンクリート 4.5%±1.5%
3 塩化物量試験 出荷時に工場で行う。
4 強度試験 150m³に1回試験を行い、20±2℃の水中養生を行った供試体の試験結果において、 1回の試験結果が、呼び強度の値の85%以上でかつ、3回の試験結果の平均値が呼び強度の値以上であれば合格。
5 軽量コンクリートの単位容積質量試験 指定がある場合、購入者と協議により試験を行い、その試験結果が、所定の品質を満足すれば合格とする。
6 コンクリートの温度 指定がある場合は、購入者と協議により試験を行う。

表-4強度試験体採取ロットの例(生コン工場1日分)

同一種類 採取ロット
A現場 150m³ 3本~6本
B現場 50m³ C現場と合わせて1ロットにする
C現場 100m³ 3本~6本

購入者が行う検査

購入者(施工業者)が行う検査には、荷卸し時の品質管理のための「受入検査」と「打込み直前のコンクリートの品質検査」、「構造物となったコンクリートの品質確認の検査」がある。
かつては、購入者が行う「受入検査」と生産者が行う製品試験(品質の確認と保証)は同じなので購入者と生産者とが協議して生産者に受入検査を代行させるケースもあったが、現状では購入者が行うのが適切である。
最近では、購入者の受入検査、打ち込み直前の品質検査を試験代行業者に有料で委託しているケースが増えつつある。
この他に、必要によりコンクリートの単位容積質量を測定する場合もある。これらの試験方法ならびに頻度は、特別に生産者と購入者が協議した以外は前出の図-3および図-4の通りである。

1 打ち込み直前のコンクリートの品質検査 実際に構造体に打ち込むコンクリートの品質確認は、ポンプの筒先等打ち込み直前のコンクリート試料を採取してスランプ、空気量、強度の確認を購入者の手で行うもので、ポンプ圧送に伴う品質の変化などを確認するために実施されている。これらの検査の頻度および合否の判定基準等は、工事仕様(示方)書または、特記仕様書等に従うことになっている。
2 構造体に打ち込まれたコンクリートの品質検査 コンクリートは、最終的に構造物となって社会に役立つわけであるから、所要の性能を有するかどうか、硬化した後の品質の確認を実際の構造体により実施するケースがある。

検査項目としては、通常実施されているものとして、

  1. 1反発硬度法による強度の推定
  2. 2抜き取ったコアーによる強度試験
  3. 3構造物本体に荷重をかける載荷試験等

があるが、試験の項目、頻度、合否の判定基準等は工事仕様書または特記仕様書等によることとなる。
以上、生コンクリートの検査について簡単に説明したが、終りにコンクリートにとって最も初歩的で重要な事項にふれることとする。

まとめ(1)

生コンクリートは生まれたばかりの「赤ちゃん」と同じで、その後の育て方(取り扱い)で良くも悪くもなる。生まれたばかりの赤ちゃんには、十分な栄養と適度な軟らかい肌着、体温保護(適度な温度と湿度)が必要なことは子供を持つ親であれば誰でも良く分かることである。コンクリートも全く同様で、言葉どおり“生コン”という生きものであり、「刻々と水和反応が進み、凝結硬化、強度発現して行く」商品を扱っている以上、せっかく良質のコンクリートとなるように製造された生コンでも、その後の育て方(取扱い、打込み、養生等)一つで、出来そこないの役立たずになる恐れがある。

この例として、2つのグラフ(図-5、図-6)がいかに育て方が大切かを物語っている。
要は、フレッシュコンクリートは可能な限り水量(練り混ぜ水)を少なく、硬化コンクリートには水(散水養生など)をたっぷりとかけることである。

まとめ(2)

打ち込まれたコンクリートの品質に問題があっても、必ずしも全てが生コン工場側の責任ではない。

図-5湿潤養生期間が圧縮強度に及ぼす影響

近藤泰男訳:コンクリートマニュアル(抜粋)
コンクリートパンフレット第50号、セメント協会、1956年より

図-6養生温度が圧縮強度に及ぼす影響

近藤泰男訳:コンクリートマニュアル(抜粋)
コンクリートパンフレット第50号、セメント協会、1956年より

前出図-3に示した通り、納入されたコンクリートの責任範囲は、荷卸し地点が責任限界で、荷卸し以後はポンプ圧送も含めて施工業者の手に委ねるわけで、この間の取り扱い如何によりコンクリートの良し悪しも左右されることとなる。
言いかえれば、コンクリートは生コン工場という生みの親の手元を離れた後(荷卸し終了後)は、購入者という育ての親の責任の下に移るわけである。